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ドア・イン・ザ・フェイス

最初に相手が断るであろう大きな要求をして、相手に罪悪感を抱かせることにより、小さな要求を相手に受け入れてもらう心理テクニックを『ドア・イン・ザ・フェイス』と言います。

『フット・イン・ザ・ドア』『ローボールテクニック』と合わせて、3大交渉テクニックと言われています。

一般的に、人は借りができてしまうと、そのままでは気持ちが悪いため、お返しをしなくてはならないと考える傾向があります。

これを『返報性の原理』と言い、ドア・イン・ザ・フェイスはこれを交渉に応用したものになります。

A「今どうしてもお金がなくて・・・家賃が払えないんだ・・・来月には返せるから10万円貸してくれない?」
B「え、、、それはちょっと厳しいな」
A「そうだよね、、、、。2万円だけ無理かな??」
B「うーん。まぁ2万円ならいいよ」

上記のように最初から2万円を要求するよりも段階を踏んだ方がYESを取りやすくなるのです。

ドア・イン・ザ・フェイスは要求をスムーズに行う強力な交渉術です。ただし、失敗すると信頼関係を壊してしまうことに繋がるので使い方には注意が必要です。

信頼関係を壊さずに要求を飲ませる方法として、 ドア・イン・ザ・フェイス とは対義する『フット・イン・ザ・ドア』があります。

フット・イン・ザ・ドアは小さい要求を承諾させ、最終的に大きい要求を承諾させる心理テクニックです。ドア・イン・ザ・フェイス とセットで覚えてください。

◆恋愛での活用法

相手の『罪悪感』を利用する

ドア・イン・ザ・フェイスには『返報性の原理』を利用した側面と、『罪悪感』を利用した側面があります。恋愛におけるドア・イン・ザ・フェイスの心理テクニックは、相手の『罪悪感』を利用しています。

大きな要求を断る
   ↓
要求を断ってしまったという罪悪感が生まれる
   ↓
自分は冷たい人間ではないという自己肯定欲求を満たそうとする
   ↓
小さな要求を呑む

相手にこのような心理状態を生み出すことができるからです。

まずは、気になる異性に対して、絶対にYESという返事がもらえないお誘いをわざとしてみましょう。

「うちの地元の温泉が、すごく有名でいいところなんだよね。今度一緒に行かない?」

「(いきなり二人で温泉なんて)それはちょっと・・。」

「そっか、それはそうだよね。じゃあ隣町の動物園に行くのはどう?」

「あ、それなら行きたいな。」

このように相手が断りにくいのを、あえて断ってもらうことで『断ってしまった』という罪悪感を感じさせることができます。

せっかく好意をもってくれている人に対して『冷たい自分』でいることに無意識に心苦しさを感じた相手は、思わずほっとして小さな要求を承認してくれるのです。

効果が高いからこそ慎重に

人間の選択には“恐れ”から発生するものと“愛”から発生するものが
ある
と言われています。

ドア・イン・ザ・フェイスの心理的効果は罪悪感によるものです。したがって相手は、“恐れ”からOKの返事をしていることになります。

“愛”から生じた判断でないデートが楽しみだと思う人は少ないでしょう。
時間が経つにつれ、罪悪感が薄まってくることでドタキャンしたくなる気持ちにもなりやすいのです。

ドア・イン・ザ・フェイスは恋愛においてとても高い効果を期待できますがリスクの高いテクニックでもあります。恋愛経験を積むには効果的ですが、本命の相手に対して失敗したときは致命的です。

効果が高いからこそ、慎重に利用しましょう。

◆営業での活用法

訪問販売に訪れたセールスマンがわざとドアが開くと同時に顔を突っ込んで、相手の拒絶を引き出し、ドアを閉められそうになったところで、「お話だけでもさせてもらえませんか?」と話しかける。

それがドア・イン・ザ・フェイスという言葉の由来です。

語源が示す通り、ドア・イン・ザ・フェイスは“営業”において特に効果が高く、使いやすいテクニックです。

「一番おすすめのコースは1年契約で36万円の継続コースです。」
(断らせるための商品B)

「そんな高いサービスは契約できないよ。」

「それでは、月払い制で毎月1万円の単発コースはいかがですか?」
(本当に売りたい商品A)

「毎月1万円なら、まぁはじめやすいね。」

このように本当に売りたい商品Aの前に、絶対に購入に至らないであろう商品Bの提案をし、断られた直後にハードルの低い商品Aを提案することで、相手のYESを引き出します。

ドア・イン・ザ・フェイスの注意点

高い効果が狙え、使いやすいテクニックでもあるドア・イン・ザ・フェイスにも使用上の注意があります。

  • 断らせることが目的の最初の提案で相手の反感を買わないこと。
  • “すぐに”ハードルを下げた次の提案をおこなうこと。
  • 商品価値に重要なブランディングをおこなっている場合は使用しない 。

1つめの相手を怒らせないことは当たり前ですが、2つめの瞬時に次の提案をすることも重要なポイントです。ドア・イン・ザ・フェイスの効果は、話題が変わったり日をまたいだ状況下だとほとんど効果がないという実験結果が報告されています。

3つめはドア・イン・ザ・フェイスの使用を避けたほうが良いケースです。
例えば、“高額”であることに価値があるような商品であったり、人材やキャスティングなど、値下げをすることで、相手に譲歩して購入してもらうことが商品の
ブランディング力を貶めてしまう場合には、ドア・イン・ザ・フェイスよりもフット・イン・ザ・ドアで価値を高めていくほうが適している
でしょう。

◆マーケティングでの活用法

身近なところで活かされている

営業とは違い、対象が個人ではなく一定数以上の消費者となるマーケティングの場合、ドア・イン・ザ・フェイス効果はどのようなところで有用なのでしょうか。

実はいたるところで活用されています。

例えば、日本料理を食べに行こうと予約をするとき、ディナーコースがこのようなラインナップだったら、どのコースが一番予約されると思いますか?

  • 琥珀コース 15,000円
  • 白虎コース 10,000円
  • 朱雀コース  8,000円

消費者から見れば、琥珀コースを一番売りたいのかな?と思いますよね。
実は多くのお店で、10,000円の白虎コースが一番人気となります。

これはお店側の思うつぼの結果であり、お店が一番売りたいのも白虎コースなのです。

琥珀コースでは高すぎるけれど、せっかく日本料理を食べに行くのだから朱雀コースでは安すぎる・・と 思わせ、白虎コースに着地させるのがドア・イン・ザ・フェイスを駆使した価格設定です。

本命商品を引き立てるために設定している高価格商品は偶然売れたらラッキー♪な商品なので売れなくてもかまわないのです。

特に日本人は、いくつかの選択肢を提示されると平均値をとろうとする傾向が強いため、商品の価格設定にはドア・イン・ザ・フェイスを利用したラインナップが多く展開されています。

飲食店だけでなく美容関係・セミナーなどのサービス業でも使いやすいテクニックなので、気楽に取り入れてみましょう!

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