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アンチクライマックス法

聞く人が説明内容に興味や関心を持ちやすくするための話し方である「アンチクライマックス法」を聞いたことがあるでしょうか?

1942年にアメリカの心理学者であるハロルド・スポンバーグが提唱した話し方についてのテクニックです。

「アンチクライマックス法」とは話しの要点や結論を最初に伝える話し方のことをいいます。

この話し方は重要箇所(ヤマ場)を最初に伝える必要があるため、緊急性のある場合や結論を先に伝える必要がある場合に使用することが多くなります。上司や取引相手などに成果を報告する場合は結果や結論から伝えることが多いと思いますが、これはアンチクライマックス法を使用しているといえます。

一方、「アンチクライマックス法」とは逆で話の要点、結論を最後に伝える話し方である「クライマックス法」もあります。

この話し方は内容の重要な箇所(ヤマ場)を最後に伝えるので、最後まで聞き手に興味を持たせたい場合や話の後半に掛けて内容が盛り上がる場合に使用されます。テレビなどで芸人さんがエピソードトークをする場合、話しの後半になるにつれて盛り上げて、最後にオチに持っていくシーンを見たことはありませんか?これもクライマックス法を活用しているといえます。

日常生活においても会話を盛り上げるために自然とクライマックス法を使っていると感じる人もいるのではないでしょうか。

「クライマックス法」の説明については別の記事でまとめていますので、興味のある方は是非、ご覧ください。

「アンチクライマックス法」や「クライマックス法」を活用することでプレゼンテーションや会話をスムーズに進めていくことができますが、相手との関係性などを考慮して使い分けることで、より効果を発揮することができます。

ここからは「アンチクライマックス法」について活用例を紹介します。

 

・ビジネスでの活用術

 物を販売するときにもアンチクライマックス法を活用できます。

ここでは、テレビの通販番組の販売員が「特殊コーティングのフライパン、価格は4980円」という内容を話しの重要部分として販売すると想定した場合のセリフを例として紹介します。

テレビを御覧のみなさま。お料理では欠かせないフライパン、ご家庭ではどんなものをお使いでしょうか?

本日皆様にご紹介したい商品は、

わが社独自で開発した「お値段4980円の特殊コーティング加工のフライパンです」

世の中には「昔ながらの鉄のフライパン」「こげつきにくフライパン」など様々な商品がありますが、

今、お使いのフライパンに満足していますか?

購入して使っているうちに、だんだんと表面が焦げ付いたり、コーティングが剝がれてしまったという経験もあるんではないでしょうか?

そんな悩みを解決するために、我々は独自技術のフライパンを開発しました。

このフライパンなら焦げ付くこともなく、お手入れも簡単。今まで通りにして頂くだけで大丈夫です。

この機会に、ぜひ一度、お試しください。

このように「最初に伝えたい重要な部分」を説明したあとに、商品の情報を説明します。

最初に興味を持ってもらうことで、話が進むにつれて商品情報が聞く人の納得できる内容であった場合、

「一回、買ってみようかな」という心理になり、購買意欲を高めることができるかもしれません。

テレビでも使われることの多いテクニックなので、イメージしやすいのではないでしょうか。

同じ内容をクライマックス法を活用したパターンの例を「クライマックス法」の記事で紹介していますので、

違いが気になる方はチェックしてみてください。

・日常生活での活用

 普段の生活でもアンチクライマックス法が使える場面があります。

たとえば、仕事をしていて企画内容や改善内容をプレゼンする場合です。

この場合、まず提案する内容に関して相手に興味をもってもらう必要があります。

そのため、最初に「提案した内容の結果」を相手に伝えるように意識してみてください。

相手が「内容の結果」に興味を持つと、「どのようにした結果なのか?」という疑問が生まれるので内容自体にも興味を持つことになります。

ただし、「内容の結果」で興味を持たせることができない場合、「アンチクライマックス法」は向いていない可能性があるため、「結果よりも過程」を相手に伝えるのが目的である場合は「クライマックス法」が向いているかもしれません。

アンチクライマックス法でのプレゼンでは「結果」で興味を持たせることが重要になりますが、その前にプレゼンのタイトルなどで、より興味を持たせることもできるので工夫してみてください。

 会社に勤めていると「報告」「連絡」「相談」ということを聞いたことがあると思います。「相談」においては内容によって伝え方を考えた方がいいと思いますが、「報告」と「連絡」に関してはアンチクライマックス法を使用することでスムーズに事が運ぶケースが多いかもしれません。

「報告」ですが、上司などに成果を報告する場合は最初に「重要な部分」を伝えるようにしましょう。聞く人からすると、「結果」を知ることが重要であるため、結果を聞かされる前にダラダラと過程を話されても「早く結果を教えてくれ」や「言い訳か?」という感情になってしまいます。

また、結果が良くない場合は早く重要部分を伝えることで対処も早くできることもあるため、アンチクライマックス法を活用してみてください。

「連絡」に関しても同様に「重要な部分」を最初に伝えるようにしましょう。最初に前置きを話したあとに重要な部分を話してしまうと、聞く人からすると「どの部分が連絡事項か分からない」ということも考えられます。そのため、連絡するときは最初に要件を簡潔に伝えるようにしてみてください。その後に、内容を補足することで相手とのやり取りがスムーズに進みやすくなるかもしれません。

・子育てでの活用

 アンチクライマックス法は最初に話の「重要な部分」を伝えることで相手の興味を引き、話を聞いてもらうテクニックです。

朝から子どもと公園に遊びに行くとしましょう。お子さんの性格にもよりますが、朝はのんびりして、なかなか出かける準備がすすまないこともあるのではないでしょうか。「早く準備して」「行くのが遅くなっちゃうよ」と伝えてもあまり効果は期待できませんよね。そんな時は「公園に行ったら、たくさん遊具があるよ」とか「はやく行ったら、たくさん遊べるよ」など子どもが公園に行きたくなるように伝えてみてください。そうすると、自分から「公園に行きたい」と意識して準備をスムーズに進めることができるようになるかもしれません。

ただし、子どもに伝える内容に嘘がないように注意してください。公園に行ったものの、聞かされていた内容と大きく異なる場合、子どもからすると「嘘をつかれた」と感じるかもしれません。

・まとめ

 アンチクライマックス法は最初に「結論」や「重要な部分」を持ってくる会話の方法です。

この方法では、「結果にインパクトがある場合」、「相手に時間がない場合」など会話の最初で相手の興味を引きたいときに有効です。

ただし、相手が話の内容に興味を持たない場合は冒頭で飽きられてしまう可能性もあります。

相手の性格や関係性も考慮して、「アンチクライマックス法」や「クライマックス法」などのテクニックを工夫する必要があります。

以上、「アンチクライマックス法」について紹介しました。

日常生活でも活用できるシーンがあるのではないでしょうか。

話し方を意識するだけで、すぐにでも活用できる方法なので一度試してみてください。

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