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ゲインロス効果(獲得-損失効果)

プラスとマイナスの変化量が大きいほど、人の心に影響を与える度合いが大きくなる心理的効果のことを『ゲインロス効果(獲得-損失効果)』と言います。

分かりやすく言うと、最初イメージをさげておいて、後のから印象をあげる方が、評価が普通よりも上がる、ということです。

例えば、

「最初怖くて冷たそうな人だと思っていたけど、実は優しい人なんだ」

「雰囲気やしぐさが子どもっぽい女性が実は家庭的だった」

「おバカキャラの芸能人が実はしっかり者だった」

「真面目でおとなしそうな印象だったけど、アウトドア好きだった」

「ドラマなどで普段はどこか頼りないキャラクターが、大事な場面ではみんなを引っ張り、頼れる存在になる」

「異性関係が派手そうな人が実は一途だった」

となるのがゲインロス効果です。

ゲイン(得る・増える・利益)は「プラスの印象」をロス(失う、損失)は「マイナスの印象」を意味します。

第一印象が悪い方が好きになったときに良い印象を持たせやすいということです。第一印象が悪くても後で挽回することも可能と言うことなんですね。

「この人はこういう人なんだろうな」と思っていても、接していく中で、実際、最初の印象と違うギャップに対して人は興味を持ちやすいものです。そして最初の印象よりかなり良い印象を与えられたら、相手をとても魅力的に感じます。いわゆる「ギャップ萌え」ですね。

これとは逆にプラスからマイナスの評価を与えてしまう、ロス効果もあります。

たとえば、

「いつも真面目で勉強できる子が、じつはタバコを吸っている」

「いつも仕事の時はビシッとスーツで爽やかな人が、休みの日は髪がぼさぼさで、私服がださい」

「生徒会長が実はいじめの主犯格である」

初めにプラスの印象を持っていても、後からマイナスの要素をみてしまうと、初めからマイナスの印象を持っていた場合よりもマイナスの印象が大きくなってしまいます。

「ゲインロス効果」は恋愛や人間関係だけでなく、ビジネスにおいても活用できるでしょう。

◆ビジネスでの活用法

「ゲインロス効果」はビジネスシーンにおいても効果を発揮できます。

ビジネスではコミニケーションを必要とする場面が多く、人として相手にどのように見られるかが、業績に関わりますよね。

たとえば、最初から自分の得意なスキルや知識は見せずに、頼りない感じを出します。そこから徐々に自分のスキルなどを見せていくと、低めの印象がプラスに変わり、好印象を与えられます。

商売人が、攻撃的で気の強い人よりも、親身になってものを売る人の方が印象が良いですよね。お客さんとの距離を上手に縮めるためには、好感が持てる人の方が、心を開いてくれやすくなります。

まずは、ロス効果で自分を低いレベルで設定して、次にプラスの印象を与えて、わざと自分の印象にギャップを作りましょう。

また、営業の場合、商品を紹介する機会でもゲインロス効果が期待できます。

たとえば、30万円の洗濯機を売りたいときに、いきなり30万円の洗濯機を紹介しても、お客さんは色々と考えてしまい、躊躇する可能性が高いですよね。

そこで、最初はネガティブな提案をしてみましょう。価格は同じで、型の古い洗濯機を紹介してみましょう。

もちろんお客さんは、30万円の型の古い洗濯機は購入をしないでしょう。それで次に本来売りたかった新型の30万円の洗濯機を10年間の保証サービス付きで紹介します。

最初の型の古い洗濯機の紹介とは違い、同じ値段だと新型の洗濯機の方が魅力的に感じますよね?しかの10年間の保障サービスもついてるなんてよりお得に思ってしまいますよね?

このように商品を紹介する場合にも、ギャップの印象をつけることで、契約につながる可能性が高くなります。

また、商品の特徴を説明する場合も、悪い点から伝えて、最初はネガティブな印象を与えてから、その後に、「~のような点を改良し、今では~のような良い点が増え使いやすくなっています」などと、プラス面をアピールし、商品の魅力を伝えるようにしましょう。

◆恋愛での活用法

・初対面は控えめにする

「ゲインロス効果」を利用する場合、最初から積極的に行かない方が良いです。

たとえば、合コンなど大人数いる場合、最初の印象が薄かったり、おとなしめの方が、より効果を発揮できます。二人だけになった時に積極的に自分から話しかけると、「おとなしい」「無口」な印象から、二人だけにだと、よく話してくれる、自分に心を開いてくれているなど、好感を持たれやすくなります。

・できなかったことにチャレンジする

苦手なことやできなかったことにチャレンジすることで「ゲインロス効果」を上手く利用できます。

たとえば、全く料理経験がなくて、その面を日頃からオープンにしているのであれば、気になる相手のために、少しづつ料理にチャレンジしていき、「料理が苦手と言ってたけど、頑張ってるな」と好印象を持ってもらいやすくなります。

・自分の印象と逆のことをする

自分が普段人からどのような印象を持たれているかを知ることは大切です。

たとえば、周りから「おとなしい」「話しかけづらい雰囲気がある」という印象を持たれていたら、コミニケーションをとるような時に笑顔を絶やさずにいることで、「思っていたより話しやすいな」と話しかけづらい印象は少なくなるはずです。

・外見にも変化をつける

気になっている相手と会うのが、会社やが学校などと特定の場所であったり、大人数だったりする場合、

いつもと違う場所で会うことがある場合には、いつもと違う外見で会うことも「ゲインロス効果」が狙えます。普段より、カッコいい服や可愛い服にしてみたり、ヘアスタイルも普段より良い変化をつけることで、相手からの印象をガラリと変えることができるでしょう。

◆ゲインロス効果の注意点

「ゲインロス効果」は人間関係や恋愛、ビジネスなど様々な場面で活用することができます。

しかし、活用しても簡単に効果が出るわけでなく、使い方や使う場面を間違えたり、過度な使い方をすると、逆効果になってしまう恐れがあります。

「ゲインロス効果」の注意点を紹介します。

・プラスとマイナスの幅は小さくする

「ゲインロス効果」はギャップが大きすぎると逆効果になってしまいます。

プラスとマイナスのふり幅が大きいと「わざとらしい」「嘘ついてるのかな」と勘ぐられてしまいます。

例えば、合コンで、前半は一言も話さなかった人が、後半で急に自分の話ばかりをし始めたりとか、普段おとなしい人が、別人のようにノリノリのキャラになったり、周りは違和感を感じ、引いてしまう可能性があります。

逆効果とならないように、プラスとマイナスのふり幅が大きくなりすぎないようにしましょう。

・マイナス面は最初だけにする

恋愛では、「押したら引く」という方法がありますが、「ゲインロス効果」は違います。

プラスとマイナス面を交互に出すと「この人情緒不安定なのかなぁ」「矛盾している感じする」などという印象を与えてしまいます。

「ゲインロス効果」は最初がマイナスだからこそ効果が発揮されるので、マイナス面の後にプラス面をみせたら、そのあとはプラス面だけをみせることが大切です。

・使う場面は見極める

「ゲインロス効果」はどのような場面でも効果が出るわけではありません。

たとえば、一度きりしか会わない相手に「ゲインロス効果」を使っても、マイナスの印象をプラスに変えれないまま、終わってしまう可能性もあるので、使う場面はよく見極めて使うようにしましょう。

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