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カクテルパーティー効果

人混みや雑踏の中でも、自分に関係があったり興味があったりするキーワードを自然と聞きとることができる現象を『カクテルパーティ効果」』と言います。

パーティー会場のような大勢の人が集まってガヤガヤと騒がしい場所でも、自分の名前を呼ぶ声や自分が興味のある人の会話などは自然と聞き取ることができるということですね。

何故このようなことが起こるかというと、音を聞いているのは「耳」ですが、認識しているのが「脳」であるからです。

人は音声情報を無意識に「脳」で選択して聞き取っているということです。

たとえば、部屋で本を読んでいるとします。

そのとき部屋にある時計の秒針の音や、外で鳴いている鳥の声、洗濯機が回っている音など、日常的にある生活音をすべて情報として認識していたら、本を読むことに集中できないですよね。

このように、複数あるうちの一つの情報に向けられた注意を選択的注意といい、カクテルパーティ効果は選択的注意の代表例です。

祭りの屋台で閉店間際にたこ焼き屋の宣伝をする場合、

「今ならたこ焼き500円が、なんと300円!」

と宣伝するよりも、

「祭り帰りに安くで小腹満たしたい方! 今ならたこ焼き500円が、なんと300円!」

と宣伝をした方が祭り帰りに安くでなにか食べたいと思っている人にたこ焼きが割引きであることを伝えることができるのです。

カクテルパーティー効果は騒がしい場所において顧客層をターゲティングしたい時に使える心理学と言えるでしょう。

目次

1.カクテルパーティ効果の実証実験

2.カクテルパーティ効果の影響

3.営業での活用法

4.恋愛での活用法

1.カクテルパーティ効果の実証実験

・提唱者の実験

カクテルパーティー効果は1953年にイギリスの心理学者コリン・チェリーによって提唱されました。

【実験1】

対象者の左右の耳に、同時に異なる音声を同時に聴かせて、片方の耳に注意を向けるよう指示しました。

すると対象者は、意識を向けなかった方の音声が聴きとれなくなりました。

【実験2】

実験1の最中に、意識を向けていない方の耳側から対象者の名前を呼ぶ音声を流したところ、対象者の意識がそちら側の耳に移るという現象が起こりました。

この2つの実験結果より、人は自分の意識を傾けた情報を優先して聴きとり、情報の内容によっては一方的に意識の方向を変えることが可能という結果になったそうです。

・アメリカの実験

アメリカでは、「カクテルパーティ効果」が人間関係にどのような影響を及ぼすかの実験が行われました。

男女に15分間会話をさせて、会話の中で相手の名前を複数回意識的に呼ばせる場合と呼ばなかった場合を比較しました。相手から自分の名前を何度も呼ばれた方が「フレンドリー」「社交的」「もう一度会ってみたい」など、相手に対して親しみや好意を持つ結果になりました。

1対1だとイメージがしづらいですが、異性3人と自分の4人で話していて、1人だけが何度も自分の名前を呼んでくれたら、嬉しい気持ちになったり、その人のことを意識しそうですよね?

「カクテルパーティ効果」を活用すれば、他人からの印象を操作できるのでは?と思いますよね。

また男女の関係だけでなく、様々な人間関係に応用できそうです。相手の名前を呼ぶだけでなく、相手の興味のある事などを会話に盛り込んでいくのも効果がありそうです。

2.カクテルパーティ効果の影響

・視覚的影響

カクテルパーティ効果のような「脳」による情報の選択は聴覚だけでなく、視覚からの情報も同じように行われています。

たとえば、繁華街を歩いていて、目的のお店の看板がパッと目に飛び込んできた経験はありませんか?

これは「カラーバス効果」と呼ばれており、特定のことを意識し始めると、日常の中でその特定のことに関する情報が自然と目に留まる現象のことです。

逆に、自分が意識していないものは視界からはじかれて、「先程通ったときはこんなお店があることに気づかなかった」という状況になります。

・心理的影響

誰かがヒソヒソ話をしていると気になってしまう…というのも「カクテルパーティ効果」の影響です。

「ヒソヒソ話は自分に関係がある情報だ」と脳が意識しているためです。

自分に自信がなかったり、ネガティブな感情が強くなっていると周りの目が気になりますよね?

それは脳が情報を必要と判断するため、騒音の中でも話し声が気になってしまいます。

3.営業での活用法

「カクテルパーティ効果」は営業や集客、マーケティングなどでも活用できます。

「カクテルパーティ効果」を営業やマーケティングで活用するために重要なことは

・名前をよぶ

・ターゲットを絞り込む

・ターゲットを決めてアピールする

・名前を呼ぶ

お客様と会話の中に、相手の名前を何度か織り交ぜるようにしましょう。そうすることで、注意を引きつけやすくなったり、話をきいてもらいやすくなります。名前で呼ぶことで、伝えられている情報が自分に関係していると認識し、信頼関係を深めてくれます。

・ターゲットを絞り込む

たとえば、ターゲットが求めていそうなキーワードを会話や広告・ポスターに入れるようにしましょう。

ファミリーマンションの宣伝やポスターなら、「家族」「育児」「公園」など、ターゲットが日頃から気にしているワードを入れることで、目に留まりやすくなります。

・ターゲットを決めてアピールする

お客様に関連や興味のある情報を積極的にアピールすることが大切です。

そのため、売りたい商品の特性を理解して、ターゲットが刺さる情報を提供しましょう。

たとえば、食品売り場で、「いらっしゃいませ」「いかがですか?」と呼びこむより、

「季節限定の○○が入荷してます」

「限定100個で本日限りなので早いもの勝ちですよ」

「今3つセットで○○円のタイムセール中です」

などと呼びこんだ方が集客率は上がります。

売り場を歩いてるお客様に「限定品」「セール」を求めている方がいれば、これらの商品に意識を向けることができます。ターゲットを絞ったアピールをすることで、「カクテルパーティ効果」を営業や集客で活かすことができるでしょう。

4.恋愛での活用法

好きな人がグループの中に混じって会話をしていても、他の人の声はあまり入ってこず、好きな人の声だけはっきり聞こえたりしませんか。これも「カクテルパーティ効果」が働いています。

脳が好きな人の情報を必要なものと判断しているため、その結果、好きな人の声は鮮明に聞こえ、記憶や印象に残りやすかったりします。

また、合コンや婚活パーティーなど、大人数の中から、自分を認識してもらうためにも「カクテルパーティ効果」は有効です。

・相手の名前を頻繁に呼びましょう

知り合って間もない方に、名前を呼ばれるのは嬉しいですよね?自分に興味を持ってくれているのかなぁと感じたりしますよね。会話の中でさりげなく名前を読んでみましょう。相手に良い印象を与えるだけでなく、相手からも名前で呼び返してもらえるかもしれません。名前を呼び合うことは親密な関係になるためにとても効果的な方法です。

しかし、やり過ぎてしまうのは逆効果になってしまうので、さりげなく会話の中に取り入れてみましょう。

・相手が興味あるワードを会話に盛り込む

「カクテルパーティ効果」は自分が興味・関心があるワードが自然と耳に入るように、自分に関係があるワードが聞こえると脳が意識します。

会話の中で、相手の興味あることをたくさん盛り込むことで、大勢で話をしていても、耳を傾けてくれるでしょう。

このように、合コンや婚活パーティなど大人数で集まる場合、このテクニックを使うことで、相手の気をひきつけることができる思うので、ぜひ試してみてくださいね。

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