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ハロー効果(後光効果、光背効果)

ある対象を評価するときに、目立ちやすい特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象を『ハロー効果(光背効果、後光効果)』と言います。

例えば、髪の毛がボサボサで不潔な印象の人がいて、その人に対する第一印象が「小汚い人」だったとします。

しかし、後になってその人が東京大学出身で、東大の研究室にいると、「研究でこもっている凄い研修者」に変わるかもしれません。

分かりやすく言うと、これがハロー効果です。

ハロー効果には、「ポジティブ・ハロー効果」「ネガティブ・ハロー効果」があります。

ポジティブ・ハロー効果:ある特定の評価が高いと感じた場合に、別の評価もそれにつられて高くしてしまう現象

例、「Aさんが東京大学出身であるから、研究においても優秀な研究者である」と優秀かどうかを確認せずに評価する。

※本来は東京大学と優秀な研究者であることは直接的に関係ない。

また、「テレビで紹介されていた飲食店だから満足するに違いない」

実際に顧客満足度の高い飲食店もありますが、中には広告費を払ってテレビに出演していて、料理やサービスの質が高くない場合もあります。

ネガティブ・ハロー効果:ある特定の評価が高いと感じた場合に、その反動で別の評価を低くしてしまう現象

例、「Aさんが太っているから、自己管理ができない人」と自己管理ができるかできないかを確認せずに評価する。
※本来は太っていることと自己管理ができないことは直接的に関係ない。

このように、学歴や見た目などで知らず知らずのうちに人からの評価が大きく変わってしまうこともあるのです。

「コンコルド効果」や「カリギュラ効果」などと並んで、心理学において「認知バイアス」と呼ばれています。

認知バイアスとは、「人が物事を判断するとき、これまでの経験や環境、周りの意見などによって決める」というものです。

◆ハロー効果の実証実験

「ハロー効果」の実験で最も有名な、社会心理学者ソロモン・アッシュの「印象形成実験」を紹介します。

ハロー効果によってどれだけ印象が変わるかを示した実験です。

被験者に、人物Aと人物Bの性格の特徴を列挙した紙を見せます。

A:知的な、腕が立つ、勤勉な、温かい、てきぱきしている、実際的な、注意深い
B:知的な、腕が立つ、勤勉な、冷たい、てきぱきしている、実際的な、注意深い

この2つのリストは「温かい」か「冷たい」の違いにのみです。これだけの違いで、被験者はAを肯定的にBを否定的に評価したそうです。この結果は「たったひとつで印象が大きく変わる」ということが明らかになりました。

さらに被験者にもう一つのリストを提示します。

A:知的な、勤勉な、強力な、非難的な、頑固な、嫉妬深い
B:嫉妬深い、頑固な、非難的な、強力な、勤勉な、知的な

この2つのリストでは提示する順序の違いのみ、という差でどれほど印象に差が現れるかという実験です。Aのイメージは「欠点はあるが能力のある人」と映ったのに対し、Bは「欠点があるため能力はあるけど残念な人」という結果になったそうです。

この結果から「提示する順番で印象が大きく変わる」ということがわかりました

この実験により、どんな印象を最初に得るかで、相手への評価が変わるということが証明されました。

◆マーケティングによる活用法

ハロー効果は人物だけでなく、商品にも同じような効果があります。たとえば、商品の目立つ特徴に意識がいってしまうと他の部分の評価が疎かになり、簡単に良い商品だと思ってしまうことがあります。

商品に対するハロー効果をうまく活用すれば、商品販売にプラスとなる可能性があります。

具体例を紹介します。

・口コミ

商品やお店自体をあまりよく知らなくても、口コミの評価が高いため欲しい、行ってみたいという気持ちになることないですか?口コミも「ハロー効果」を高める1つの要素です。

口コミの評価が高いと、消費者は「これだけ多くの人が高く評価しているから、良い店に違いない」というポジティブなイメージが先行し、実際の質よりも良く思う傾向にあります。逆に評価が悪ければ、実際に行っていなくても何となく悪いネガティブなイメージを持ち、積極的に行ってみようとは思わないでしょう。

アンケート調査を行って消費者のポジティブな意見をハロー効果として活用する場合もあります。実際に商品を使った人の意見は、購入してみようかなというきっかけになるでしょう。

「ハロー効果」は良い方にも悪い方にも働くということは、ビジネスをする上で常に意識した方がいいでしょう。

・CM

「ハロー効果」をマーケティングに活用する上で、最もよく使われているのは、好感度の高い(商品のイメージに合った)芸能人・イメージキャラクターを広告に起用することです。

「有名人が使っているから、きっと満足できて良い商品なんだろう」という意識を与えます。

これは、有名人に対する親近感や憧れが、顧客のポジティブな判断に影響を及ぼしているのだと考えられます。注意点としては、シニア層向けの商品を販売する際に、若者に人気のアイドルを起用したり、メディアで度々トラブルや、不祥事を起こしている有名人を起用すると、ターゲットに響かないだけでなく、会社の印象も悪化させる可能性があります。

CMやプロモーションに有名人を起用する場合は、ターゲットにプラスの印象を持ってもらえるように、慎重に選ぶことが必要です。

「ハロー効果」をマーケティングで活用する際のポイントは、顧客に与えてるイメージと実際の商品やサービスが異ならないこと、顧客のニーズを理解した上で、情報を発信することです。

購入前はプラスのイメージを持っていたのに、実際に使ってみて、満足度が低かったら、顧客を定着させることは難しいでしょう。また、企業が考える魅力を積極的に発信しても、それが顧客の興味や関心に繋がらなければ、集客や売上は伸びていかないので、商品やサービスの情報を伝える際は、顧客のニーズを理解して発信することが大切です。

◆恋愛での活用法

恋愛において、「ハロー効果」は重要です。

ポジティブハロー効果を意中の相手に植え付けることが大事です。

好みは相手によって異なりますが、特に見た目や話し方、姿勢は好印象を持たれるようにしましょう。

・見た目

例えば、女性でしたら、白などの明るい服や、柔らかい素材や透け感の服だと女性らしくて、家庭的な印象を与えることができるでしょう。。男性でしたら、スーツで高級時計をしてると、仕事ができて、お金も稼いでる印象を持たれるでしょう。

普段身に着けているものをみて、自分がどんな人間だと周囲に発信しているかを見直すのもおススメです。

・姿勢

どんなに顔が可愛い・かっこよくても、姿勢が悪いとプラスの印象は持たれません。座った時に足を開いていたり、だらしない姿勢だと、あまり良い印象ではないので、姿勢や立ち振る舞いは意識するようにしましょう。

・話し方

話し方は、見た目の次に人も印象を左右しやすいです。ゆっくり話す人は落ち着いて優しいイメージですが、早口な人はせっかちで感情的な印象を持たれてしまいがちです。また、相手の目を見て話せるかも大事なポイントです。

恋愛で「ハロー効果」を使ううえで、注意することは、本来の自分からあまりにもかけ離れたイメージを与えないことです。素の自分を維持するのが難しくなり、本当の自分を見せたときに、相手から幻滅されてしまう可能性があるので気をつけてください。

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