欲求に忠実に生きる~マズローの5段階欲求とは~
「マズローの欲求5段階説」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
この理論はアメリカの心理学者であったアブラハム・ハロルド・マズローによって提唱されました。
人間の欲求は
「生理的欲求」、「安全欲求」、「所属と愛情欲求」、「承認欲求」、「自己実現欲求」
の5段階に分けることができて、下段の欲求を満たすことができれば一つ上段の欲求を満たそうとする自己実現理論のことです。
この言葉は心理学で使用されていた言葉ですが、現在ではマーケティングや経営など様々なシーンでも使用されるようになっています。
◆マズローの5段階欲求
ここからはマズローの各欲求について紹介していきます。
- 生理的欲求
- 安全欲求
- 所属と愛情欲求
- 承認欲求
- 自己実現欲求
・生理的欲求とは
マズローが提唱した自己実現理論のための欲求の中では最下層の欲求のことです。
人が生きていくために必要となる基本的な欲求であり、「呼吸をする」「飲食をする」「睡眠をとる」「性欲」などが当てはまります。
・安全欲求とは
これは安心・安全に生活したいという欲求のことです。
生理的欲求が満たされると、「身の安全」や「安心」を求めるようになります。
「平和な国での生活」「経済的な安定」「法などの秩序」などが当てはまります。
安全欲求は生理的欲求と同じくらい強いものと言われています。
・所属と愛情欲求とは
安全欲求が満たされると何かの集団(グループ)に属して仲間を求めるようになります。
基本的に人間は一人で生きていくのではなく他の人と協力する動物であるため、他の人との関りを求めます。
学校や職場などで必要とされていることや関係者に受け入れられていることなどを実感したいと思うようになり、それらを達成することで欲求を満たすことができるようになります。
逆に他社との関りが薄い場合は欲求が満たされないこともあり、不安やストレスを感じることもあります。
・承認欲求とは
「他の人に認められたい」ということが承認欲求と言えます。仕事をしている人で言えば、会社内での「評価を上げたい」「上司に認められたい」などと思うことであり、SNSでは「いいねをたくさん押してもらいたい」と思うことも該当します。
承認欲求がが強い場合、「他の人に認めてもらいたい」「いいねが欲しい」という強い思いがキッカケとなり頑張れる人もいますが、成果が認められない場合にはモチベーションが下がってしまうこともあります。
・自己実現欲求とは
自分の持つ可能性、能力を最大限まで引き出して自分の使命を達成したいという欲求です。
「生理的欲求」、「安全欲求」、「所属と愛情欲求」、「承認欲求」が満たされると「自分がやりたいことは何なのか?」ということを考えるようになり、
「自分らしく生きたい」、「もっと成長したい」と理想の自分を実現したいと思うようになります。
・自己超越とは
自己実現欲求を満たすことができると「自己超越欲求」と言われる段階があります。
この欲求は「自分のため」だけでなく「他の人や社会のために貢献したい」というものです。
自己実現欲求を達成するのは難しいため、自己超越欲求の段階まで到達する人は少ないと言われていますが、ビジネスで成功した人などで社会に貢献している人などは、この段階に到達していると言えるかもしれません。
マズローの欲求についてイメージができたでしょうか?
◆マズローの5段階欲求を仕事に置き換えると
ここからは各欲求について仕事(職場)に置き換えて説明していきます。
・生理的欲求
基本的な欲求になります。トイレや食事ができる場所が整備されているか、休憩する場所や仕事するスペースが確保されているか、など仕事をする上で快適な環境が提供されているかということになります。
また、働くことの対価である「給料」が問題なく支払われているかも重要になります。
この欲求は働く上での大前提と言えるのではないでしょうか?
・安全欲求
安全欲求とは安全、安心に働くことができているか?ということになります。
「安全が何よりも優先」されている職場で働くことは、自分の身体の安全を考慮されていると感じることができるようになります。
また、安全な職場で働くことは家族にも安心感を与えることに繋がります。
身体的な安全も大事ですが、メンタル面での安全も重要です。会社の経営状態や雇用形態などが安定していると将来的な不安も少なくなり、安心して働くことができるようになります。
他にも「休みが取りやすい」「資格など教育がしっかりしている」「福利厚生がしっかりしている」など仕事や給与とは違う部分でも従業員の士気に繋がります。
・所属と愛情欲求
自分が所属している部署やチームの人間関係についての欲求といえます。
自分の属している場所に愛着があるとモチベーションも高くなり、結果、成果によい影響を与えることがあります。
逆に関係者との人間関係が上手くいっていない場合や仕事に対して関心がない場合はモチベーションも低下することがあります。
他の人との人間関係を良好にするのは簡単なことではありませんが、日頃からコミュニケーションを図るなど少しずつ関係を築いていくことが重要になります。これは自分だけでなく他の人のモチベーションを上げるためにも必要であり、「やる気のある人」というのは周りにも良い影響を与えることがあるので「成果を出す」ためには個人の力だけでなくチームワークを高めることも必要となります。
・承認欲求
仕事において、自分がおこなった「過程や結果」を上司や関係者が認めてくれるかということになります。
自分の仕事の貢献度をきちんと評価されていると感じることができれば、さらにモチベーションが高くなり、より良い結果に繋がりやすくなります。
従業員は自分の仕事成果を認められることで仕事への愛着もわきやすくなります。従業員には仕事に対する評価を定期的にフィードバックすることが重要であり、フィードバックが少ないとやりがいを感じることが難しくなってきます。仕事の成果や貢献度が低い場合は「なぜ評価が低くいのか」ということを従業員が納得できるように説明してあげることで、「次は成果を出そう」「次は認めてもらえるようにしよう」という前向きな気持ちにさせることが大切です。ここでは従業員と書きましたが、部下や後輩でも同じことが言えます。
大事なのは「承認」ということであり、成果が出ないことに対して叱責してしまうことがないように注意しましょう。
・自己実現欲求
仕事においての自己実現欲求とは、自分の持てる力、パフォーマンスを最大限に引き出している状態と言えます。この段階に到達している場合、自分の役割をきちんと理解できており、ベストを尽くしながら成功に向けて活動しています。
自分の目標を達成することができると自信をつけることができて、個人的にもさらなる成長に繋がり、会社への貢献意欲も増していきます。
会社からすると個人の能力が向上することで、企業の力も向上していると言えるかもしれません。
自己実現は本人の能力や努力があることはもちろんですが、上司や周りの関係者の協力も必要になります。
成功に向かってモチベーションを維持して、「やりがいを感じることができる」ようなフォローを心掛けてみましょう。
◆まとめ
仕事に置き換えて説明しましたが、従業員が自己実現欲求の段階まで到達できることが理想であるといえます。そうなるためには基本となる生理的欲求から順番に達成していく必要がありますが、個人個人で仕事に対する考え方が異なるため、全員を高い欲求段階にすることは容易ではありません。日頃からコミュニケーションをとり、個人個人に合わせた成長方法を考えていく必要があるのかもしれません。
四季グループ代表
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