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コントラスト効果(対比効果)

2つ以上の物事を比べた時に差があると、実際の差より大きな差として感じられるという心理的な現象を『コントラスト効果(対比効果)』と言います。「contrast」は「対比」という意味からきており、そこから由来されています。

簡単に説明すると、「比較によって人間の脳が起こす錯覚」です。

例えば、例えば、10万円の時計だけ売っていれば「高いな」と感じても、50万・100万円の時計の中にあれば「安い」と感じませんか?

また、0がいくつも並ぶ値札をつけた宝石店を見てきた帰りに、いつものスーパーに立ち寄ると、普段は手が出ないメロンや牛肉がずいぶんと安く感じられることがあります。

これがまさしくコントラスト効果です。

コントラスト効果は商売でよく使われますが、松竹梅の法則が最も分かりやすい例です。

  • コース料理A:10,000円
  • コース料理B:12,000円

上記の場合どちらが多く注文されるかというと、Aです。

  • コース料理A:10,000円
  • コース料理B:12,000円
  • コース料理C:15,000円

では、こうなるとどうでしょうか? Bがお手頃の価格に見えるので、Bを選びやすくさせることができるのです。

松竹梅の法則は『おとり効果』とも呼ばれています。

このように少しメニューや商品の打ち出し方を変えるだけで売上を上げることができます。

覚えておきましょう。

目次

1.コントラスト効果の具体例

2.ビジネスでの活用法

3.恋愛での活用法

4.コントラスト効果の類義、対義語

1.コントラスト効果の具体例

コントラスト効果は多くの場面で使われています。

・味覚

2種類以上の違った味を混ぜ合わせたときに、どちらか1つもしくは両方の味を強く感じます。

たとえば、

チョコレートを食べたあとにレモンを食べるときは、ただ単にレモンを食べるよりも酸っぱく感じる

これは人間の脳が「チョコレートの味」と「レモンの味」を比べているため起こる現象です。

また、スイカに塩をかけるとより甘味を強く感じるというもの「コントラスト効果」が働いています。

・嗅覚

何も匂いを感じないところでは、かすかな匂いも感じ取りやすくなります。反対に、強烈な匂いを嗅いだ後だと、かすかな匂いは感じ取りにくくなります。

・触覚

氷水に手を入れた後に、常温の水に触れると、少し温かく感じます。反対に、熱いお湯に触れた後で常温に触れると、少し冷たく感じるでしょう。

2.ビジネスでの活用法

「コントラスト効果」をビジネスで活用する方法をいくつか紹介します。

・商品の紹介・割引

5万円のカバンは、高価に感じますよね?しかし、50万円もする高級ブランドのカバンを見た後だと少し安く感じますよね。

商品の紹介は高い価格から順番に紹介するようにします。人は最初に目にするものを基準点として考える傾向があります。これを「アンカリング効果」と言います。最初に高い価格の商品を見ることで、その価格が基準点になります。

商品を割引する際も同じです。商品を割引する際、先に割引後の価格を伝えてから、正規の価格を伝えても、割引の効力は半減します。

通常の価格を少し高めに設定しておいて、セールの時に50%オフで売ります。最初の値段が1万円だったものが、5000円になると、「コントラスト効果」が働き、「安いから買おうかな」と購買欲を促すことができます。

・不動産の当て物件

不動産業者が、本当に売りたい物件を良く見せるために使われる物件のことを当て物件と言います。

わざと条件が悪くて高価な物件に連れていきます。その後に安くて条件のいい物件を見せることで、「コントラスト効果」を働き、実際よりもいい物件に見えるようになります。

・コピーライティング

コピーライティングで「コントラスト効果」を活用するにはアフィリエイトでよく使われる価格の提示方法があります。まず、通常価格を提示して、次に割引をする理由と割引価格を提示します。

たとえば、はじめに高めの価格設定を提示します。

「価格:39,000円」

そして条件をつけ価格を下げていきます。

このページからのお申込みに限り

「価格:29,000円(10,000円引き)」

最後に「本日限定」や「残りわずか」などの限定的な表記をし、お得感を強調して、

本日中にお申込みして頂いた方限定で、定価よりさらに20,000円引きの特別価格の「19,000円」

このように価格を提示することで、お得に感じますよね?

元々は、割引価格が売りたい値段ですが、通常価格を高めの価格に設定することで、「コントラスト効果」が働き、安く感じるのです。割引してもらってるということも、お得感が上がります。

3.恋愛での活用法

恋愛において、相手に「ギャップ」をみせることって必要ですよね。第一印象が怖くて近寄りがたかった人が、次に会ったときに気さくには話しかけてくれたら、「この人、こんなに話しやすい人だったんだ」とプラスの印象を与えることができます。

「コントラスト効果」を恋愛の場面で活用する場合、まずは自分の見た目や性格を理解し、「ギャップ」をみせることが大事です。

たとえば、見た目が怖い人は第一印象の「ハロー効果」によって、性格まで「怖そうだな」と思われがちですが、ちょっとした優しさを見せることだけでも、見た目と中身の「ギャップ」ですごくいい人に感じ、プラスの評価に変わります。

学校や職場では眼鏡をして地味な格好をしている人が、休日は、コンタクトをし、可愛らしい洋服を着ていたら、ドキッとしちゃいますよね?

暗かったイメージがパッと明るいイメージに変わり、相手に魅力を感じさせることができます。

マイナスからプラスに変わると、その差分で良い印象に変わるということですね。

印象によるコントラストは「ゲインロス効果」とも呼ばれます。

相手の中にマイナスの印象を与えておいて、そこから少しでもプラスの「ギャップ」が生まれたら、プラスの評価に変わります。

また、異性と出会う場として合コンや婚活パーティーがあります。

少しひどい話ですが、一緒に参加する友人は自分より劣る人を連れていくと自分の魅力が増すということもあります。

これは「おとり効果」での恋愛テクニックとも似ています。

人は何かと比べて判断しがちなので、自分より劣っている人を同伴させることで、相手は無意識に自分と友人を比較します。

4.コントラスト効果の類語、対義語

「コントラスト効果」か2つ以上のものを並べると、その差が大きく感じられることです。

類語には「松竹梅の法則(おとり効果)」と「アンカリング効果」があります。

・松竹梅の法則(おとり効果)

商品の値段が3段階に分かれていると、真ん中の値段の商品を選んでしまうという心理効果です。

その比率は高価格:中価格:低価格=2:5:3の割合になります。

・アンカリング効果

最初に提示された印象的な特徴や情報、価格が強く残ってしまい、その後の意思決定や判断に影響する心理効果です。たとえば、1000円の服を見た後に、10,000円の服を見ると高く感じてしまう。

対義語には「フォン・べゾルト効果」があります。

・「フォン・べゾルト効果」

ある色が他の色と隣接している時、隣接している色に近い色に感じるように見える心理効果

「コントラスト効果」は私たちが何かを感じるときや、何かを判断する時に自然と使われている効果です。

人間関係や恋愛の場面で活用するには、プラスの方に印象が変わるような「ギャップ」をつくることが大事です。

ビジネスで活用するには、最初に高い価格から提示し、比較対象と比べることで、安い・お得だと感じてもらうことが重要でので、ぜひ活用してみてください。

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