クライマックス法
聞く人が説明内容に興味や関心を持ちやすくするためのプレゼンテーション方法、「クライマックス法」「アンチクライマックス法」を聞いたことがあるでしょうか?
1942年にアメリカの心理学者であるハロルド・スポンバーグが提唱した話し方についてのテクニックです。
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まず、「クライマックス法」ですが、話の要点、結論を最後に伝える話し方のことをいいます。
この話し方は内容の重要な箇所(ヤマ場)を最後に伝えるので、最後まで聞き手に興味を持たせたい場合や話の後半に掛けて内容が盛り上がる場合に使用されます。テレビなどで芸人さんがエピソードトークをする場合、話しの後半になるにつれて盛り上げて、最後にオチに持っていくシーンを見たことはありませんか?これもクライマックス法を活用しているといえます。
日常生活においても会話を盛り上げるために自然とクライマックス法を使っていると感じる人もいるのではないでしょうか。
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次に、「アンチクライマックス法」ですが、「クライマックス法」とは逆で、話しの要点や結論を最初に伝える話し方のことをいいます。
この話し方は重要箇所(ヤマ場)を最初に伝える必要があるため、緊急性のある場合や結論を先に伝える必要がある場合に使用することが多くなります。上司や取引相手などに成果を報告する場合は結果や結論から伝えることが多いと思いますが、これはアンチクライマックス法を使用しているといえます。
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「クライマックス法」や「アンチクライマックス法」を活用することでプレゼンテーションや会話をスムーズに進めていくことができますが、相手との関係性などを考慮して使い分けることで、より効果を発揮することができます。
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ここからは「クライマックス法」について活用例を紹介します。
日本語は主語の後に述語が来る話し方をすることが多いので、最後に結論やオチを持ってくる話し方はイメージしやすのではないでしょうか?クライマックス法は順序立てて話す形式(起承転結)となり、「話しの結論(オチ)弱い場合」、「相手が内容に興味を持っている場合」、「聞き手との信頼関係がある場合」などは効果が出やすいとされています。
目次
1.恋愛での活用術
気になる人をデートに誘いたいときもクライマックス法は活用できます。
気になっている相手との関係性は日常会話をする程度でプライベートでは遊んだことのないとしましょう。
そんな関係性で急に「デートしよう」や「一緒に映画を見に行こう」と誘っても相手は困惑してしまい断わってしまうこともあると思います。
デートに誘う前には相手に興味のある内容を会話に盛り込みながら誘ってみましょう。
その際、会話をスムーズに進めるためにも伝えたい内容(結論)を先に考えておくことをおススメします。
会話の一例を紹介します。
伝えたい内容は「今度、映画を見に行かない?」とします。
あなた:「○○さんは映画とか見るの?」
気になる人:「けっこう見るよ。ミステリーやサスペンス系の映画を見ることが多いかな。」
あなた:「そうなんだね。俺もサスペンスとか好きなんだよね。今、上映しているサスペンス映画見た?」
気になる人:「まだ見てないよ。おもしろそうだよね」
あなた:「そうだよね。よかったら、今度一緒にその映画を見に行かない?」
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この場合、相手に伝えたい内容を最後にしたことで相手は自分と同じジャンルの映画に興味を持っていることを知ることができ、突然誘われるよりも、あなたと共通点を感じることでデートの誘いに対してのハードルを下げやすくなります。
注意点としては、会話の内容に相手が興味を持たない場合、クライマックス法の効果は薄くなるので、内容や話し方は工夫する必要があると言えます。また、話が長くなることで相手が最後まで聞いてくれないことも考えられますので、相手の性格なども考慮して使うようにしましょう。
2.ビジネスでの活用術
物を販売するときにもクライマックス法を活用することができます。
あなたがテレビの通販番組の販売員で「特殊コーティングのフライパン、価格は4980円」という内容を話しの重要部分として販売すると想定した場合のセリフを例として紹介します。
テレビを御覧のみなさま。お料理では欠かせないフライパン、ご家庭ではどんなものをお使いでしょうか?
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この機会に、ぜひ一度、お試しください。
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このように相手の興味を盛り上げていき、 最後に伝えたい内容を持ってくることで、相手の印象に伝えたいことが残りやすくなります。
ただし、この場合では相手がフライパンに興味があるということが前提になっており、フライパンに興味のない人には効果が薄くなってしまいます。
3.日常会話での活用術
普段の何気ない会話でもクライマックス法を活用することで場を盛り上げることが可能になります。
冒頭でも紹介しましたが、テレビなどで芸人さんがエピソードトークを話しているシーンをイメージしてもらうと分かりやすいかも知れません。
会話の中に起承転結をイメージしながら内容を組み立てることで自然にクライマックス法の会話に近づけることができるので、会話の前に「最後に伝えたい内容(オチ)」を決めておくことが必要になります。
ただし、話しの途中で盛り上げ過ぎると最後に伝えたい内容が弱くなってしまうこともあり、最後まで話しを聞いてもらうという目的は達成できますが、聞き手側からすると「内容が薄い」や「オチが弱い」といった印象になることもあるので注意も必要です。
4.クライマックス法の注意点
クライマックス法は「話しの結論(オチ)弱い場合」、「相手が内容に興味を持っている場合」、「聞き手との信頼関係がある場合」に効果がでやすいと言われているので、逆に言うと「話しの結論にインパクトがある」、「相手が内容に興味を持っていない」、「相手との関係が薄い」などの場合、効果が期待できません。
話しにインパクトがある場合、先に結論を伝えた方が相手の興味を引くことができる場合が多く、相手が内容に興味がない場合は最後まで話しを聞いてもらえないこともあります。また、時間のない場合や結論を先に伝えるべき場合には結論を最後に伝えるクライマックス法は向いていません。そのような場合は「クライマックス法」よりも「アンチクライマックス法」の方を活用してみてください。
以上、「クライマックス法」について紹介しました。
活用するシーンは考える必要がありますが、話し方を意識するだけで、すぐにでも活用できる方法なので一度試してみてください。
「クライマックス法」とは逆の方法である、「重要部分を先に伝える話し方、アンチクライマックス法」についても別の記事で紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
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